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コミュニティサイトのあるべき姿 庄司昌彦氏インタビュー3

2011年3月16日
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)講師/主任研究員の庄司昌彦氏のインタビュー3です。

- コミュニティサイトの運営者の立場を社会全体で考えていく必要があるかと思うんですがいかがお考えですか?

地域のコミュニティサイトを見ていると、ユーザーというかそのコミュニティにいる人達のリアルな人間関係や生活、つまり社会全体のことにまで想像を広げることも必要だと感じます。
例えば地域活性化の取組みに参加してくるのは元気な人たちばかりで、全員ではない。そこにいない人達にまで情報を伝えるためにはどうすれば良いかということを考えなければいけない。SNSを使った子育て支援に関わった時も、元気なお母さんばかりが集まって、最も支援を必要とする人はSNSを使う余裕がないという発見がありました。それを踏まえて運営者はどうすればいいか、サイトにいる人がリアル社会でどういう人間関係を持っている人なのか、視野を大きくもって考えなければいけないと感じました。
社会があってネットがあってコミュニティサイトがあるという全体像の中で、運営者のこともユーザーのこともサイトの位置づけも考えていく必要があるのだろうと思います。

- そういうことを考えを見るって機会が少ないですよね。どうすれば可能なんだろうと思うんですけれど。

とにかく、人と向き合うということでしょうね。ユーザーと運営者の関係では、ネット上でどういう動きをしているかというのはログを見ればある程度わかるんですが、使っている人達が実際にどういう人たちなのかという事はネット上での振る舞いだけでは不十分で、もっと深くもっと深く理解しようとしていくしかないでしょう。

- 社会の中でどのように生きているのか、洞察が必要ということですかね?

洞察という言葉だと想像する感じですが、実際につきあっていくことで体感的に分かる部分も大きいですね。私個人は5000人規模のネットコミュニティの運営者だったことがあるんですが、それくらいの規模でも、とにかくいろんな人がいましたね。そしてべたべたにつきあっていく中で、こういう機能を作ったら文句を言われるだろうとか、こういう問い合わせをしてくる人は大体こういうリテラシーでこういう事を困っているんだろうとか、経験的に分かるようになりました。地域SNSの運営者たちも、ネットのことをやっていたつもりが、その背後にある社会のいろいろな仕組みやしがらみや実態に直面しながら経験を積んでいます。

- 対ユーザー対応、カスタマーサポートしている人は見ていて分かっているわけなんですけれどもそこが吸い上げられていないと。

大きなサイトはユーザーとしての経験しかないので実感を持って語りにくいのですが、監視している人たちはユーザーの事をもっとも知っているわけで、そこからの情報がサイトの運営側まできちんと届けば、運営の改善には役立つだろうとは思います。何千万人という会員規模になると難しいことかもしれませんが。
あとは、人のつながりをソーシャルグラフという形で図に描くと、特徴をもったクラスターが見えてきたりするので、そういうことをカギにユーザーの理解を深められるでしょう。そういうことがしやすいのもネットコミュニティの良いところです。

- コミュニティサイトのあるべき姿とはどういったものでしょうか?

掲示板が出てきてブログが出てきてmixi、Twitterが出てきて...というように、その時々で人が集まる場所は激しく変わっていくでしょうが、人間は社会的存在なので、道具があればコミュニケーションをするし群れを作っていきます。だから、それぞれのコミュニティサイトを個別の問題として捉えるのと同時に、コミュニティサイトというものはずっとあるものだという前提で問題を小さくすることを考えていく方がいいと思います。単に規制するだけであれば、次に場が移るだけで、実際になくならないですよね。ですからコミュニティサイトをより大きな視点でとらえて、どうすれば問題をなるべく小さくしながら、より安定的に続いていけるのか、ということを考えていかなければならない。そうすると短期的に禁止したりルールで縛ったりするだけはしょうがないし、ユーザーと一緒に問題に向き合わないといけないし、実際の学校や社会との関係も考えていかなければいけません。
コミュニティの運営者も参加者もできれば一緒に問題に向き合って、自分たちでルールを作っていくことも大事です。当事者たちと関係のないところでルール作って押し付けても多分、現実に合わないし、腑に落ちないというか内面化しないでしょう。

- 自分たちっていのはサイト運営者、ユーザーさんも両方含まれるんですよね?両方で考えるのは難しいですね。

例えば、はてなはユーザーとコミュニケーションとりながらルール作りをしていましたよね。コミュニティが大きくなると、あの感覚を保つのが難しいとは思いますが、実際に挑戦した例はあるといえます。

次号に続く

(鎌田真樹子)


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